アンチエイジングってなに?
老化は単なる自然現象だけによるものだけではなく、原因物質や原因法則が存在する。この原因物質や原因法則を除去ないし緩和させることができれば、アンチエイジングは科学的成功を収めることができよう。アンチエイジングは着実に科学的に現実味を帯びてきているのだ。本機構は、このようなアンチエイジングの学術的研究・開発から臨床的成果に至るまでを目標の一つとしている。
アンチエイジングの辞書的意味
anti-ag(e)ing
"老化防止の、不老の。antiag(e)ing medicine 抗加齢医学。1)"
“老化防止を意味する英語で、抗老化や抗加齢とも訳す。加齢によって自然に起こる、しみやしわ、骨や筋力の衰え、動脈硬化や癌(がん)をはじめ、生活習慣病の影響でリスクが高まるさまざまな病気など、その原因を抑制することによって老化の進行を遅らせようとすること。医療、美容、健康、食品といった多くの関連分野で、抗老化に効果があるとされる方法や成分が取り上げられ、なかでも、肌の老化を改善、予防する目的で使われるアンチエイジング化粧品は、若年層から高齢者まで広く浸透している。2)”
アンチエイジング医学(抗老化医学)
“老化を自然現象ではなく一種の病気ととらえ治療を施す新しい医学。抗加齢医学ともいわれるが「老化」と「加齢」の定義により論争がある。1990年にanti-aging medicine(抗老化医学)、longevity medicine(長寿医学)としてアメリカで始まった。抗老化医学における目的は、生活の質を向上させ寿命を延ばすことであるが、具体的には筋重量・骨密度・体力・活力の増加、体脂肪の減少、免疫力の改善、コレステロール関連データの改善、肌つやの改善、気分の改善、睡眠の改善などが挙げられる。……(中略)……ただ、「アンチエイジング」の言葉が独り歩きして、「アンチエイジングビジネス」が横行しかけていることに注意を払わねばならない。3)”
ここで取り上げるのは、学術的・科学的なアンチエイジング(anti-aging. 抗加齢医学、抗老化医学)であり、下図のイラストのように、ちまたに流行するコマーシャル的・非学術的・非科学的な「アンチエイジングビジネス」ではない。
21世紀現在、老化はAGEs(Advanced Glycation End Products .終末糖化産物、後期糖化生成物)という老化物質(より正確に言えば、生体化学反応による生成物)が原因であるということが、医学生理学的・生化学的に突き止められてきている。また、物理学的には熱力学の第二法則が、老化と死に深くかかわっていることが知られている。
熱力学の第二法則(エントロピー増大の法則で知られるクラウジウスの不等式)
また、「老化」ではなく「進化」だという見方もある。いずれにせよ、老化は単なる自然現象だけによるものだけではなく、原因物質や原因法則が存在する。この原因物質や原因法則を除去ないし緩和させることができれば、アンチエイジングは科学的成功を収めることができよう。アンチエイジングは着実に科学的に現実味を帯びてきているのだ。本機構は、このようなアンチエイジングを研究・開発から臨床的成果に至るまでを目標の一つとしている。
AGEsの構造式の例(アルグピリミジン)
アンチエイジング治療へのアプローチ
image (C) 日本抗加齢医学会.2016
文 献
1) 研究社『医学英和辞典』
2) 小学館『日本大百科全書』
3) 集英社『情報・知識 imidas 2016』
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